都市計画区域外にある土地って建築可能?
先日、都市計画区域外にある土地の売買仲介をお手伝いさせていただきました。
このとき、買主様からいただいたご質問の一つが、
「都市計画区域外って、建物って建てられるんですか?」というもの。
確かにあまり馴染みがない方にとっては、疑問に思われるポイントかと思います。
結論からお伝えすると、都市計画区域外でも建物は建てられます。
今回は、「都市計画区域外」の特徴や注意点について、まとめてみました。
都市計画区域外の土地とは?
まず前提として、「都市計画区域」とは、都市の秩序ある整備・発展を目的に、都市計画法に基づいて指定された区域のことをいいます。この都市計画区域は、以下の3つに分類され、それぞれに法的な制限が設けられています。
・市街化区域
→ 概ね10年以内に優先的に整備される地域。原則として建築可能です。
・市街化調整区域
→ 農地や山林を保全し、市街化を抑制するエリア。原則として建築不可です(一部例外あり)。
・非線引き区域
→ 上記2つの区域に分類されていない地域で、比較的建築の自由度が高いエリアです。
一方で、これら都市計画区域の“外”にあるエリアが、いわゆる「都市計画区域外」となり、郊外や山間部、農村地帯などに多く見られるます。
特徴と注意点としては、以下のものがあげられます
主な特徴について
①用途制限や建ぺい率・容積率の制限がかからない
都市計画法は、都市計画区域内に制限がかかります。一方で、都市計画区域外の土地は、都市計画の規制対象外のため、用途制限や建ぺい率・容積率などといった法的な制限はありません。(※ただし、他の法令等の制限がかかる場合があります。)
② 接道義務なし
都市計画区域内の土地であれば、建築基準法により、建物は「原則として幅員4m以上の建築基準法上の道路に2m以上接していなければならない」という接道義務がありますが、都市計画区域外については、接道義務がかかりません。
注意するポイント
①ライフライン未整備の可能性
都市部とは異なり、上下水道やガスなどのライフラインが未整備のエリアもあります。
この点は、事前にしっかりと確認が必要です。
②立地や周辺環境に注意
都市計画の対象外ということは、多くの場合、郊外や山間部にある土地です。
生活利便性や交通アクセスなど、利便性を求める方にはミスマッチになる可能性もあります。
③ 近隣住民との関係も大事に
規制が緩い分、逆に言えば「誰でも、何でも建てられてしまう」リスクもあります。
だからこそ、建築の際は、近隣住民との関係性や地域性に配慮することがとても大切です
まとめ
都市計画区域外の土地でも、建物の建築は可能です。
また、都市計画区域内の土地と比較しても、規制が緩いため比較的に自由に建築可能です。
ただし、都市計画区域内とは違った注意点や確認事項があるため、慎重な調査と判断が求められます。
都市計画区域外の土地は、郊外や山間部に位置することが多く、割安感はありますが、
実際に購入を検討する際は、「何のためにその土地を使うのか」という目的を明確にしたうえで判断することが大切です。