不動産売却関連

居住用財産の3,000万円控除、私が実体験で感じた注意点2つ

自宅を売却して利益(譲渡益)が出た場合、「不動産の譲渡所得税」がかかることがあります。

ですが、一定の条件を満たすことで「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円特別控除」という特例を受けることができます。これは、不動産を売却して得た所得から最高3,000万円までを控除できる制度です。所有期間が長期か短期かに関わらず適用できるのが大きな特徴です。

実は私自身も、数年前に自宅マンションを売却した際、この特例を利用しました。そのおかげで、売却による税金は0円。ありがたい制度でした。

今回は、私が経験をもとに特に注意しておきたいと感じた2つのポイントをお伝えします。

ポイント①:住宅ローン控除と併用できない

私の場合、売却後に住み替えのため住宅を購入し、住宅ローンを利用しました。ですが、ここで一つ悩みが発生します。

「3,000万円特別控除」と「住宅ローン控除」は併用できない」のです

つまり、どちらか一方しか選べません。

  • 3,000万円特別控除を使って譲渡益の税金をゼロにするか

  • 譲渡益にかかる税金を支払って、住宅ローン減税(最大10年間(当時)の税額控除)を使うか

自身でも綿密に試算しましたところ、結果、長期的には住宅ローン控除のほうが得でした。しかし、その年の譲渡所得税を払う金額が大きく、資金的な不安が残りました。

結果的に、税金の即時負担を避けるために3,000万円控除を選択しました。

住み替えを検討されている方は、この点をよく比較・検討してみてください。どちらが得かは、ケースバイケースです。

ポイント②:配偶者控除が使えなくなることがある

もう一つ見落としがちなのが、所得制限による配偶者控除の外れです。

私の家では、売却当時、妻は専業主婦だったため、毎年配偶者控除を受けていました。

しかし、不動産売却によって一時的に所得が増え、合計所得金額が1,000万円を超えてしまったため、配偶者控除が適用されなくなりました。

自宅を売却した翌年、「3,000万円の特別控除の確定申告」と「還付金を期待してふるさと納税の確定申告」したつもりが、結果は逆に所得税の納付が必要となりました・・・。

不動産売却で一時的に大きな所得が出るというケースでは、思わぬ税負担につながることがありますので、十分注意してください。

まとめ

「居住用財産の3,000万円特別控除」は非常にありがたい制度ですが、住宅ローン控除との選択や、他の税制(配偶者控除など)への影響を踏まえたうえでの判断が大切です。

「居住用財産の3,000万円特別控除」の詳しい条件や申請方法は、国税庁の公式サイトをご覧ください。

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3302.htm

また、税に関する一般的なご相談(制度や法令等の解釈・適用についてのご相談や手続案内など)については、各国税局に設置する「電話相談センター」において、国税局の職員等に相談できる窓口があり、活用できますので参考までにURLを貼っておきます。

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shirabekata/9200.htm