不動産売却について

複雑な権利関係の不動産でも売却は可能か?

複雑な権利関係とは?

複雑な権利関係とは、一つの不動産に対し複数の人・法人等が、所有権や賃借権、担保権等の権利を持っている状態のことをいいます。

不動産を売却する際、権利関係が複雑であると、関係者全員の合意形成や手続きに時間を要するため、売却を躊躇することがあります。

複雑な権利関係の1つとして、共有名義があげられます

  • 共有者が多数いる場合(数十人等の共有名義)
  • 共有者間で売却について意見が対立している場合
  • 共有者に意思能力のない方がいる場合
  • 第三者が権利を主張している場合

結論からいえば、複雑な権利関係の不動産でも売却は可能です。ただし、売却には通常よりも長い期間を要するケースが多く、注意が必要です。

特に共有者間で意見の対立がある場合や、既に弁護士が介入している場合、円滑に進めていくには、時間と労力が求められます。

そのため、売却を依頼する不動産会社の担当者との相性や信頼関係が重要になります。また、トラブルがある場合は、法的な助言が必要になることも多く、弁護士等の専門家と連携しながら進めることが重要なため、不動産会社は慎重にご検討をください。

複雑な権利関係からの売却事例

過去のお取引において、共有者が20名以上いるという複雑な案件がありました。売却のご相談は共有者の一人からいただきましたが、まず20名以上の共有者全員に売却意思を確認する作業から着手いたしました。

共有者のなかには、売却に積極的な方もいれば、手間なので売却に消極的な方、そもそも連絡が取れない方もおり、かなりの時間を要しました。

さらにそのような状況下で、代理人弁護士から突然の通知があり、建物の所有権を一部主張する第三者がいることが判明しました。

その結果、土地と建物の所有者が一部異なることによる権利関係の複雑さに加え、建物の権利を主張する第三者からも同意得なければならない状況となり、売却は益々長期化の可能性が出てきました。この状況に対し、今後の売却方針をお客様と再度検討する必要が発生しました。

検討1 共有持分のみを売却する

・他の共有者の同意なくして売却可能

買手が限定されるので価格が安くなる(利用価値が低い)

・売却後に共有者との間でトラブルとなるケースも有り

検討2 共有者全員の同意を得て全体を売却

・相場価格で売却可能(高値を追求できる)

・関係者全員の同意が必要

・売却までの調整に長い時間を要する

結論として、部分的な権利(持分のみ)を売却すること自体は法的に可能でしたが、将来のトラブルを回避し、円滑に進めるために、共有者全員の同意を得た上で、売却が望ましいという判断となりました。

本案件では、ご相談者様と二人三脚で、共有者全員、代理人弁護士との複数回にわたる面談・交渉を重ね、売却金額の配分について関係者全員から合意を得ることができ、無事売却を完了することができました。

まとめ

複雑な権利関係の不動産売却は、信頼できるパートナー選びが重要です。

複雑な権利関係にある不動産の売却は、決して簡単ではありません。しかし、専門的な知識と経験を持つ不動産会社と、必要に応じて弁護士などの専門家のサポートがあれば、必ず活路は見出せます。

もし、複雑な権利関係の不動産の売却でお困りの際は、弊社にお気軽にご相談をください。お客様一人ひとりの状況に合わせた最適な解決策を提案し、売却完了までをしっかりとサポートさせていただきます。