不動産売却関連

不動産売却、「リースバック」という選択肢について

「今すぐにまとまった資金が必要だけど、住み慣れた家からは離れたくない・・・」

そんなお悩みをお持ちの方、「リースバック」という不動産の活用方法をご存じですか?

今回は、リースバックの仕組みやメリット・注意点をご紹介いたします。

セール&リースバックとは?

「セール&リースバック」とは、自宅などの不動産を売却すると同時に、その不動産を借りて住み続ける契約を結ぶ取引手法です。

つまり、所有していた家を一度売却し、買主と賃貸契約を結ぶことで、売却後も同じ家に住み続けられるのが特徴です。

この手法は企業でも古くから活用されており、コロナ禍の際には、リモートワークの浸透に伴い、企業が本社ビルを売却して、一部のフロアーをリースバックするケースも増えました。

最近では、個人住宅向けの「リースバック・サービス」を提供する不動産会社も増えており、選択肢の一つとして注目されています。

リースバックのメリット

  • ✔ 今の家に住み続けられる安心感

  • ✔ 売却によってまとまった現金を確保できる

  • ✔ 引越しや住環境の変化を避けられる

こうした点から、特に「急な資金ニーズがあるけれど、引越しは避けたい」という方にとって、リースバックは非常に有効な選択肢になります。

ただし、リースバックには注意点も

リースバックを利用する際には、いくつかのリスクや制約も理解しておく必要があります。

① 売却価格は市場相場よりも安くなる傾向

不動産会社は購入後の「家賃収入」を目的に物件を買い取るため、
売却価格は市場相場の70~50%程度になることが一般的です。

目安としては、
購入価格=想定家賃 × 12ヶ月 ÷ 期待利回り(8~10%)
で算出されます。

※期待利回りは、エリア等により変わります。

② 賃貸契約の内容を必ず確認

リースバックで結ばれる賃貸契約には、「普通賃貸借契約」と「定期借家契約」の2種類があります。

  • 普通賃貸借契約なら、契約違反がない限り、住み続けることが可能

  • 定期借家契約の場合、契約期間が終了すれば退去が必要

将来の住まいの安定性に関わる部分ですので、必ず契約内容を確認しましょう。

③ 家賃の支払い能力をチェック

売却によってローンを完済できたとしても、その後の家賃が無理のない金額であるかを慎重に見極める必要があります。

ローンの返済より家賃が高くなり、生活が苦しくなるケースも少なくありません。

④ 自由にリフォームできない

リースバック後の物件は「借家」です。
そのため、原則として自由にリフォームや増改築はできません。暮らしの自由度はある程度制限されます。

⑤ オーナーが変わる可能性も

不動産の売却や転売により、オーナーが途中で変わる場合があります。
その際に家賃の値上げなどの条件変更が発生することもあるため、こちらも覚えておくべきポイントです。

⑥リースバックは買い戻しも可能だが……

リースバック契約には、「将来的に買い戻す権利(買戻し特約)」を付けることもできます。ただし、買戻し価格は売却時より高額に設定されるのが一般的で、現実的には難しいケースも多いです。

まとめ

リースバックは、一時的な資金の確保と住み慣れた環境の維持を両立できる魅力的な手法です。しかし、売却価格の条件や契約内容、将来の生活設計まで総合的に考える必要があります。

そのためにも、正しく理解して活用することが非常に重要です。

弊社では、リースバックのご相談はもちろん、一般市場で売却した場合の査定価格との比較も行っております。

「本当にリースバックが自分にとってベストな選択なのか?」
そういったお悩みを、一緒にじっくり検討するお手伝いをさせていただきます。

気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。