不動産の購入を検討していると、「購入申込書」や「買付証明書」といった言葉を目にすることがあります。これは、気に入った物件が見つかった際に、購入の意思を売主に伝えるための大切なステップです。
この不動産購入申込書の役割や記載内容、提出時の注意点について、解説していきます。
不動産購入申込書とは?
購入申込書とは、購入希望者(買主)が価格・希望する購入条件などを売主に提示する書類です。あくまでも「この条件で買いたいです」という意思を伝えるものであり、正式な契約ではありません。
この申込書をもとに、売主と買主の間で価格や条件の調整が行われ、合意に至れば「売買契約」へと進んでいきます。なお、事業用不動産の売買では、申込後に売主から「売渡承諾書」が発行されることもあります。
購入申込書に記載する主な内容
購入申込書には、以下のような内容を記載します:
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購入者の氏名・住所
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購入希望価格
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手付金の金額(購入希望価格の5~10%が目安)
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契約希望日
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引渡し希望日
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ローン利用の有無
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その他希望条件(重要!)
「その他条件」はしっかり具体的に!
購入申込書では「その他条件」の記載がとても重要です。ちょっとした希望でも、必ず書面で伝えておくことで、後々のトラブルを防ぐことができます。
たとえば、こんな条件も記載してもOK
- 残置されている照明器具やエアコンを売主側で撤去してほしい
- 植栽の越境を売主側で解消しておいてほしい
- 引渡し前の敷地内調査やリフォームの打ち合わせのため、物件に立ち入りたい など
購入申込書を提出する際の注意点
法的拘束力はないが、慎重に出すべき
購入申込書には法的拘束力はありません。そのため、提出後でも撤回は可能です。しかし、売主との条件合意後に一方的にキャンセルすることは、トラブルの原因にもなります。
やむを得ない事情がある場合には、合理的な理由の説明が求められます。気軽な気持ちで出すのではなく、「購入の意思がしっかり固まってから提出」することが大切です。
提出したからといって、購入できるとは限らない
申込書を出したからといって、その物件を必ず購入できるわけではありません。売主が複数の購入希望者の中から選ぶこともあり、申込順がそのまま購入順位になるわけでもありません。最終的に誰に売るかを決めるのは、あくまでも売主です。
まとめ
不動産購入は人生の中でも大きな決断です。
その第一歩となる「購入申込書」は、売主との交渉を始める重要な書類です。
ポイントはこの3つ:
- 内容は具体的に
- 安易に提出しない
- 提出後の交渉や流れも理解する
この3点を押さえて、納得のいく不動産購入を進めていくことが大事です。